目的と方針
脊椎内視鏡手術、特に経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術(Percutaneous Endoscopic Lumbar Discectomy : PELD)が低侵襲脊椎脊髄外科の領域において、欧米ではオプションの一つとして手技が確立され、アジア諸国でも症例数が急増している手技である。
本邦においても日本脊髄外科学会の会員が2008年から導入を開始し、現在は未だ少数であるが複数の施設で施行されている。また、脊椎内視鏡手術が保険収載されたことと相俟って、学会会員の中にも内視鏡手術の習得を希望する会員が多数出始めている。
しかし、手術適応の判断と手技の習得が難しい手術であるにも関わらず、脳神経外科医のための質疑検討の場やトレーニングシステムが無かった。
そこで、本邦導入時の日本脊髄外科学会会員が中心となり、ハンズオンを核としそれに検討会を付随させた研究会を「内視鏡脊髄神経外科研究会(Endoscopic Spinal Neurosurgical Meeting)」として2011年に立ち上げた。
本研究会の目的は、経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術(Percutaneous Endoscopic Lumbar Discectomy : PELD ペルド)の安全かつ学究的な普及を柱とし、脳神経外科からみた脊髄神経内視鏡のEvidenceとStandardの構築、脳外科医による末梢神経内視鏡の存続、神経内視鏡界への貢献、そして最終的には整形外科との垣根を越えて意見交換と活動が続けられる研究会にしてゆく。 会員数51名(2012年9月現在)
追記-その後、学術集会は5回開催され、講習会も定期的に年2回の開催がなされてきた。またそれに伴って内視鏡手術に習熟した会員も増え、施行施設も32施設(2015年12月現在)となっている。そこで、水野順一最高顧問の発案もあり内視鏡手術を低侵襲脊椎手術の核としてとらえ、低侵襲手術全体の充実をはかるため、当研究会を内視鏡を主軸とした低侵襲手術全般の集まりに成長させることとなった。2015年12月の第5回学術集会の世話人会に当会の名称を「低侵襲・内視鏡脊髄神経外科研究会」と変更することが、全会一致で承認された。また、2015年10月の日本脊髄外科学会理事会において、脊椎内視鏡下手術手技技術認定制度が認められ、認定講習会と認定教育セミナーの施行、制度に関わる事務的作業の補佐の任が当会に課せられることとなった。
2015年12月改定