2016年3月13日(日) 刈谷市総合文化センターにて 第25回愛知県理学療法学術大会を開催致します。

学会名

プログラム・日程表

大会長基調講演  10:00~10:30

刈谷市における地域包括ケア充実に向けた取り組みと課題

講師:酒井 元生(医療法人豊田会 刈谷豊田総合病院)

愛知県では、地域包括ケアの要となる在宅医療提供体制の整備に向けて重点的に取り組んでいます。刈谷市においても医療・介護連携の推進を重点施策の一つとしていますが、市内におけるリハビリテーション専門職間の連携については十分でない状況がありました。昨年度より徐々に連携構築に向けた取り組みを行ってきましたので、刈谷市内のリハビリテーション専門職の特徴を踏まえ、多職種連携の充実に向けた今後の課題など報告致します。

特別講演1  10:30~12:00

情動と潜在認知を考慮した治療的運動学習

講師:冨田 昌夫(藤田保健衛生大学 医療科学部)

分析的・論理的思考に基づいた顕在認知による意識的なスキルの練習をベースとした学習では意欲のある患者に対して、意識できるものしか指導できません。意識することで改善できるのは意識できることに限られます。
当然のことながら、現実の生活の中で私たちは、顕在的に認知して意識できたことだけで行動しているのではありません。何かしようとした時、やろう、やりたいというポジティブな動機だけでなく、出来ないのではないか、人に迷惑をかけないだろうか、更には痛みへの恐怖や転倒・転落の不安などサブリミナルで自覚に登らない様々なストレスから生じる自己保存の過剰な反応が、身体に消極的・回避的な構えや戦略をとらせることで行動を困難にしたり、拙劣にしたり、やる気をなくしたりしていることが多いのです。健常な状態でもこのようにして生じる過剰な防衛反応を乗り越えるのに多くの努力を払っています。それなのに、病気や障害を持つことで動作ができなくなった患者に対する今までの動作分析に基づく運動機能中心、課題達成を中心とした動作の治療場面では、このような情動や感情がもたらす影響を主観的なこととしてほとんど無視あるいは排除してしまっていたのです。
深部脳の様々な核の機能や連携の仕方が解明されてきている現在、情動や潜在認知を無視することによって生じていた弊害や今までわからなかった問題が明らかになってきています。これからの理学療法は今までと違い、患者の不安や恐怖に正面から取り組んでいくことが重要になってきます。患者が自分の身体に気づけるような運動を促す必要があります。運動による身体の変化を知覚し、無自覚なレベルで気づく(アウェアネス)ことで生じる成功体験で自信を付け、不安や恐怖をとりのぞいて“自分を再構築する”支援をする治療が極めて重要になります。不安が消えて情動や潜在認知により無自覚に準備される構えやバランスの戦略を変えられるようになった時、行動変容を定着、保持できるアプローチに一歩近づけるのではないかと今後の展開に大きな期待を掛けています。高齢で治療に対する意欲の出にくい患者や右肩下がりで今までの私たちの治療対象とは異なる患者がどっと増えるなかで今後の治療はこの課題を避けて通れなくなると考えています。

市民公開講座  13:00~14:00

ストーリー・ケアの勧め ~初期認知症高齢者から自発性を引き出すケア方法~

講師:渡辺 哲雄(日本福祉大学中央福祉専門学校/NPO東濃成年後見センター)

「老いの風景」の作者が母親の認知症に取り組みました。疑わしきはまず受診ですが、病院嫌いの本人が受診するとは思えません。そこで作者は「どうしてこうものを忘れるやろ」本人がそうつぶやく機会を捉えてさらりと言いました。
「もの忘れが治る薬を飲めばいいのに」
「え?そんな薬があるのか?」
「神経に効く薬だから薬局では売ってない。一度は受診することになるけど、おふくろ病院嫌いだろ?あきらめよう」
「そんな薬がもらえるのなら、我慢して受診するぞ」。
受診からグループホーム入居まで、本人をその気にさせて乗り越えた方法を「ストーリー・ケア」と名付けて作者自身が語ります。

第24回愛知県理学療法学術大会賞 授賞式  14:20~14:30

2015年3月1日(日)に名古屋国際会議場におきまして第24回愛知県理学療法学術大会が開催されました。
たくさんの演題登録を頂き、その中で特に優れた発表に対して表彰を行います。

受賞演題名:当院 ICU における専従理学療法士の増員による訓練時間の増加が臨床効果に及ぼす影響について

受賞者:渡辺 伸一(独立行政法人国立機構名古屋医療センター リハビリテーション科)

水野 晋利・安藤 翔悟・大野 美香・森田 恭成・鈴木 秀一・染矢富士子

特別講演2  14:30~16:00

理学療法の進歩は、周囲の進歩に依存する

講師:浅野 昭裕(碧南市民病院 リハビリテーション室)

年々、理学療法は少しずつ変化してきました。何が理学療法を変えたか?と考えると、どうやら理学療法の周辺にあるものの進歩や変化・発見であった気がします。手術法や薬剤から患者年齢や制度まで、それらの変化にいち早く気付けば、新しい理学療法のリーダーになれるのです。では今後、理学療法に影響しそうなものとは何でしょうか?過去の変化をもとに、運動器領域の理学療法の未来を想像してみましょう。

日程表

※画像をクリックでPDFをご覧いただけます。

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