2016年3月13日(日) 刈谷市総合文化センターにて 第25回愛知県理学療法学術大会を開催致します。

学会名

大会長挨拶

第25回愛知県理学療法学術大会
大会長  酒井 元生
(刈谷豊田総合病院 リハビリテーション科)

第25回愛知県理学療法学術大会を、刈谷市総合文化センターで開催いたします。本大会は西三河ブロックが担当することになり、10年ぶりに刈谷の地に戻ってまいりました。本会は、今年度会員数が5,000名を超えており、特に経験年数の若い方を中心に学術面からサポートできるよう、学術大会を毎年開催しております。第25回という節目の年に大会長を務めさせていただき光栄に存じます。

今回はテーマを「理学療法 これからの10年」とさせていただきました。団塊の世代が75歳以上となる2025年まで、あと10年と迫っております。重度な要介護状態となっても「住み慣れた地域」で自分らしい暮らしを「人生の最後まで」続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が急務です。私たちもリハビリテーション専門職として求められる役割を、地域の実情に合わせて確実に担っていかなければなりません。

一方で、現在、理学療法士が毎年約9,000名輩出されている状況であり、職域の広がりと共に職場の少人数化や責任者の低年齢化が進んでいます。理学療法士としての素養・質を高い水準にいかに維持していくか、私たちの大きな課題となっています。

また、一般財団法人日本公衆衛生協会の平成26年度「地域保健総合推進事業」における「地域保健に関わる理学療法士・作業療法士の人材育成に関する調査研究」において指摘されたように、個別的な介入・支援のみならず、他職種の専門性を理解し、地域課題(地域住民のつながりや人間関係、地域の社会資源の有無、保険者や地域包括支援センターとのつながりや業務の理解など)に対する幅広い支援について、多面的な知識を持つ理学療法士の育成が求められてきております。私たちの専門職としての職能とその果たし得る役割を地域へ浸透させていくことも併せて、今後の重要な課題であります。

そこで今回の学術大会では、私たちを取り巻く環境など現状を理解し、今後10年間における私たちの向かうべき方向性や、重点的に取り組むべき課題について考える機会にしたいと思っています。

本大会では、108題の一般演題(口述発表71題、ポスター発表37題)を採択させていただきました。特別講演では、藤田保健衛生大学医療科学部 客員教授で佛教大学保健医療技術学部 客員教授の冨田昌夫先生に「情動と潜在認知を考慮した治療的運動学習」について、碧南市民病院リハビリテーション室 技師長の浅野昭裕先生に「理学療法の進歩は、周辺の進歩に依存する」と題してご講演をお願いしております。

また、市民公開講座として、日本福祉大学中央福祉専門学校 専任教員でNPO東濃成年後見センター 理事長の渡辺哲雄氏に「ストーリー・ケアの勧め ~初期認知症高齢者から自発性を引き出すケア方法~」についてご講演をお願いしております。

第25回愛知県理学療法学術大会が、今後の皆様のご発展に寄与できる機会となるよう、準備委員一同、鋭意準備を進めてまいりました。皆様お誘いあわせの上、多数ご参加いただきますようお願い申し上げます。

最後になりましたが、会員はじめ多くの皆様にご支援・ご協力を賜り、誠にありがとうございました。心よりお礼申し上げます。

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