2017年4月14日(金)・15日(土)愛知県産業労働センター ウインクあいちにて日本区域麻酔学会 第4回学術集会を開催致します。

2017年4月14日(金)から15日(土)までの2日間、名古屋にて日本区域麻酔学会第4回学術集会を開催させていただくこととなりました、愛知医科大学医学部麻酔科学講座の藤原祥裕でございます。日本区域麻酔学会の理事、評議員、会員ならびに学会関係者の皆様にこのような機会を与えていただいたことを心より御礼申し上げたいと思います。

本学術集会のテーマは「周術期医療における区域麻酔の役割」とさせていただきました。近年、術中の麻酔管理のみでなく、術前から術後まで一貫した方針のもと、途切れのない管理を行うことによって効率的に質の高い医療を提供できるという考えから、国内外で麻酔科医が周術期医療においてもっと指導的役割を果たすべきであるという主張が数多く見られるようになってきています。私はこのような考えに100%賛同いたします。このような周術期医療の中で、副作用が少なく、強い鎮痛効果を有する区域麻酔の果たす役割は極めて大きいと信じております。 臨床の場で区域麻酔を活用することによって、どういった恩恵を受けることができるのか、国内外の著名な先生にご講演いただく予定です。

日本では約10年前から超音波ガイド下神経ブロック技術が急速に発達・普及してきましたが、それによって区域麻酔の世界は大きく変貌しました。さまざまな新しいブロック技術がつぎつぎと報告され、従来職人技と考えられてきた神経ブロックを多くの麻酔科医が活用するようになりました。超音波ガイド下神経ブロックに関する論文・発表が爆発的に増加したり、ハンズオンワークショップが受付開始と同時に定員に達してしまったり、まさに一世を風靡したといっても過言ではないでしょう。本学術集会でも超音波ガイド下神経ブロックに関する講演・シンポジウム・ハンズオンワークショップを数多く開催する予定です。

一方、区域麻酔には従来から広く用いられてきた、脊髄くも膜下麻酔、硬膜外麻酔があり、現在でも麻酔管理上必要不可欠な地位を確立しています。近年神経ブロックの隆盛によってその利用率は減ってきているかもしれませんが、産科麻酔は脊髄くも膜下麻酔と切り離して考えることはできませんし、とくに胸腹部の手術においては硬膜外麻酔の鎮痛効果は神経ブロックを上回るものがあります。このような技術の習得なしに質の高い周術期医療を実現することは困難でしょう。また、安全かつ確実に区域麻酔を行うためには、区域麻酔に関する薬理学的、生理学的、解剖学的な知識を十分に習得することが重要であることは言うまでもありません。本学術集会では、このような基本的な技術・知識の習得にも十分焦点を当てたいと思っております。

本学術集会が少しでも皆様のお役に立つことができるよう、さまざまな工夫をこらして皆様をお迎えする準備をおこなっている最中でございます。数多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

平成28年5月吉日

日本区域麻酔学会第4回学術集会大会長

愛知医科大学医学部麻酔科学講座教授

藤原 祥裕

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