会長挨拶

第60回日本リンパ網内系学会の延期・WEB化開催にあたって

第60回日本リンパ網内系学会総会は2020年5月28日(木)~30日(土)に名古屋での開催を予定し準備を進めてきましたが、COVID-19の影響により2020年8月20日(木)~21日(金)に延期を余儀なくされました。

しかし、その後も状況は好転せず、この度完全WEB化による縮小開催とさせていただくことにしました。これに伴い、多数の登録をいただいた一般演題および研修医・医学生のためのポスターセッションはすべて誌上発表となり、また海外のエキスパートによる講演もすべて中止となりました。

会員および関係の皆様には多大なご迷惑をおかけし、心よりお詫び申し上げます。

第60回総会は「独創一理」「Our creativity for the people 私たちの創造力を人々のために」を理念としました。縮小プログラムとなりましたが、「ゲノム医療時代への展望」のテーマに基づいて「ゲノム医療時代のリンパ腫治療-クリニカルシークエンスへの取り組み-」、「リンパ腫・骨髄腫の分子病態」、「リンパ腫の免疫環境と新たな治療」の3つのシンポジウム、および「リンパ腫の診断・治療に関わる最近の話題」のワークショップはすべて基本プログラムとして開催します。各座長の先生方には大変魅力的な構成をしていただきましたので、会員の皆様にはぜひご期待の上、ご視聴いたければと存じます。会長招請講演、優秀演題口演、また教育プログラムとして「医学生、研修医、メディカルスタッフのためのセッション」、および「リンパ腫基本セミナー」も予定どおり開催します。

これらのプログラムは、オンデマンド方式で学会終了後も第60回総会ホームページから一定期間は視聴できるようにする予定です。会員の皆様、特に若い先生方やメディカルスタッフの方々には積極的に参加登録をしていただければ幸甚に存じます。

なお、第23回日本血液病理研究会(会長:愛知県がんセンター 遺伝子病理診断部 加藤 省一 先生)も同時にWEB化で共同開催されることをご案内します。
末筆ではございますが、本総会のWEB化開催にあたり多大なるご協力、ご支援を賜りました吉野 正 前理事長、稲垣 宏現 理事長をはじめ各理事並びにプログラム委員会の先生方、評議員・会員の皆様、および関係各位に改めて深甚なるお礼を申し上げます。
2020年7月吉日
第60回日本リンパ網内系学会総会
会長 岡本 昌隆
藤田医科大学医学部血液内科学

第23回日本血液病理研究会の延期・WEB化開催にあたって

本研究会は、血液病理診断に求められる標準的な知識の共有、最新の診断学的知見の整理と問題点の抽出、血液内科医・基礎研究者との病理診断プロセスの共有などを目的として今まで開催されてきました。血液病理学の発展と疾患認識の深化に合わせ、各回様々なテーマで議論がなされてきました。
第23回日本血液病理研究会では、”Epstein-Barr virus(EBV)関連リンパ増殖異常症のスペクトラムと病理”をテーマとして行います。EBVの感染はB細胞、T/NK細胞腫瘍のいずれにも認められ、反応性病変との境界領域病変も存在し、EBV関連リンパ増殖異常症(EBV-LPD)は広範なスペクトラムを形成します。またEBV-LPDは病因論的にも、免疫不全・免疫機能低下が想定される病変や、腫瘍のもつ免疫逃避機構に帰することができるものなど様々です。
本研究会では、日常病理診断において様々な疾患と鑑別を要するEBV-LPDの実践的な診断プロセスについて概説します。さらにB細胞、T/NK細胞リンパ増殖異常症にわけ、それぞれが含む種々の病態について最新の知見を交えて解説します。また近年報告が増え解析が進んでいる医原性免疫不全関連リンパ増殖異常症についての講演も予定しております。本プログラムにより日々の疑問に多少なりとも答えることができればと思っております。また皆様と共に議論することで、新たな血液病理学の展開のきっかけとなれば幸いです。
2020年7月吉日
第23回日本血液病理研究会
会長 加藤 省一
愛知県がんセンター 遺伝子病理診断部