「人生100年時代」と言われる現代、疾病構造、治療法、手術法、住居、家族、地域、経済等多くの変化が起きています。そして「理学療法士」はリハビリテーションだけでなく、人々が「生涯現役」で社会的役割を発揮するための健康づくりや疾病予防、ターミナルの方を支える、更には街づくりといった役割も担うようになってきました。 一方で、理学療法士・作業療法士の供給数は2040年には需要数の1.5倍になるとも推計されています。

 「理学療法士」の未来を創るのは「理学療法士」にしかできません。そして、「人生100年時代」を支え、人々が幸せに暮らせる社会を創るために「理学療法士」は無くてはならない職種だと考えます。そのために今やるべきことは「理学療法の科学性」の追求と「マネジメント」ができる理学療法士の育成です。

 そこで、第29回愛知県理学療法学術大会のテーマを「人生100年時代の理学療法 -科学性とマネジメント-」とし、人々を地域で支え、幸せに暮らせる社会を創るために、理学療法士が専門職としてどのようにして科学性のある地域リハビリテーションを展開していくのか、また、利用者様の生活、スタッフ教育、病院経営などあらゆる場面でどのようにマネジメントをしていくかを考えていきたいと思っております。

 「人生100年時代」における理学療法という視点に基づいて特別講演、教育セミナーを企画しております。また「マネジメント」は管理者が考えることと思いがちですが、これからの時代を担う若手の理学療法士の皆さんが、「理学療法士」の未来を創るためのセルフマネジメント、また、そのために必要なヒト・モノ・カネ・情報をどう生かしていくかといったマネジメントの方法についてシンポジウムで議論できるよう企画しております。理学療法の科学性を追求し、これからの理学療法士にとって必要なマネジメントを考える機会となる場が提供できることを確信しております。そしてその結果として、愛知県および各市町村における医療・介護・予防事業の発展と地域包括ケアシステムの構築に理学療法が貢献することができると考えております。地域で働く理学療法士に限らず様々な領域で活躍されている多くの理学療法士の積極的な演題登録と熱いディスカッションを期待しております。

 第29回愛知県理学療法学術大会は、名古屋ブロックが担当し、愛知県産業労働センター(ウインクあいち)にて開催いたします。会員の皆様には、是非とも積極的な御参加をお願い申し上げる次第です。どうぞ宜しくお願い致します。

令和元年7月吉日

第29回愛知県理学療法学術大会

大会長  小山 樹