2015年3月1日(日) 名古屋国際会議場にて 第24回愛知県理学療法学術大会を開催致します。

第24回愛知県理学療法学術大会

大会長挨拶

 このたび、平成27年3月1日(日)に第24回愛知県理学療法学術大会を名古屋国際会議場で開催させていただくことになりました。今回は尾張ブロックが担当し、準備させていただくことになりました。年々会員数が増加している県下で大会長を務めさせていただきますことは大変光栄であります。大会を通じてNPO法人愛知県理学療法学会と公益社団法人愛知県理学療法士会の発展に寄与できれば幸いに存じます。

 今回はテーマを「痛みと向きあう」とさせていただきました。厚生労働省が実施しています国民生活基礎調査において、「頻度の高い自覚症状に関する調査」があります。その結果をみますと、有訴症状の第1位と第2位は10年以上にわたり不変で、男性は「腰痛」、「肩こり」、女性は「肩こり」、「腰痛」です。この結果は多くの国民が慢性の痛みを抱えているものの、様々な理由から十分な医療の提供がなされていないことを示しており、厚生労働省においても2010年「慢性の痛み対策について」提言が出され、厚生労働省科学研究班も立ち上がり活動が開始されているところです。その中で、「痛み」が主観的な表現であるため客観的な評価が困難であることや、適切な治療選択が十分ではないこと、さらには診療、治療にあたる医師、理学療法士など医療従事者の教育体制も十分ではないことが指摘され改善が図られてきています。我々理学療法士は日々この「痛み」を抱える方々に向きあってきていますが、調査の結果が示していますように残念ながら十分な成果を上げることができていません。このような現状を改善するためには、まず、現状に向きあい、慢性の痛みに対する対策や研究成果に向きあうことが必要と考えます。

 そこで、この学術大会では、思う存分「痛みに向きあう」ことをしていただきたいと思っております。「痛み」の捉え方はこの20年ぐらいで大きく変化しており、新たな知識を得るための理学療法士に対する「痛み」教育の機会にもしたいと思っています。「痛みに向きあう」ことで、理学療法士の質の向上を図り、人々の生活の質の向上に結びつけるためにできることは何かを考えていきます。

 特別講演では、基礎医学的な観点と臨床的な観点から痛み研究を進めていらっしゃる2名の先生にご講演をお願いしております。中部大学生命健康科学部教授で名古屋大学名誉教授の水村和枝先生には「遅発性筋痛(DOMS)のメカニズム−痛み物質産生器官としての筋の役割−」について、日本福祉大学健康科学部教授の松原貴子先生には「痛みに対する運動療法の効果とメカニズム」についてご講演をお願いしており、痛み研究の最前線の情報をお届けできればと思っております。

 また、公益社団法人愛知県理学療法士会と共同で開催する市民公開講座では、愛知医科大学運動療育センター助教(学際的痛みセンター兼務)池本竜則先生に「長引く痛みの原因とその対処法」についてのご講演をお願いしております。一般市民向けのわかりやすいお話が知識の整理に役立つことと思います。

 さらに、シンポジウムでは「痛みの臨床-理学療法士の関わり-」と題しまして臨床からの話題提供をいただきます。明日からの臨床につながるヒントをもとにディスカッションしていただけるものと期待しています。

 第24回愛知県理学療法学術大会では、まさに1日中「痛みと向きあう」ことが可能なように企画しており、皆様のご期待に沿うものになると確信しています。どうぞ皆様お誘いあわせの上、多数ご参加いただきますよう、心よりお待ち申し上げます。

第24回愛知県理学療法学術大会
大会長 肥田朋子
(名古屋学院大学リハビリテーション学部)
  大会長 肥田朋子

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