2016年(平成28年)3月24日(木)~25日(金) 名鉄犬山ホテルにて 第10回日本CAOS研究会を開催致します。

第10回日本CAOS研究会 HOME

会長挨拶

会長:金村 徳相

江南厚生病院 副院長 脊椎脊髄センター長

 この度、第10回CAOS研究会を、来る2016年3月24日(木)、25日(金)の2日間にわたり、名鉄犬山ホテル(犬山市)において開催させていただきますことを大変光栄に存じます。本研究会は、わが国の整形外科分野へのコンピュータ支援手術の普及を目的に第1回研究会会長の菅野伸彦先生をはじめとする先生方により2007年に発足した研究会であります。第5回(2011年)からはオープンな研究会となり、関節外科領域はもちろんのこと、脊椎、腫瘍、外傷領域におけるコンピュータ支援技術に関する国内唯一の学会として発表や討論が活発的に行われています。今大会は発足から10年を経て第10回という記念すべき大会であり、このような回におきまして本研究会を主催できることを、これまでご尽力されてきた諸先生に深く感謝いたしますとともに、その重責に身が引き締まる思いでございます。

 コンピュータ技術の進歩はめざましく、われわれの想像をはるかに超えた速度で発展しています。大きく注目を集める技術だけではなく、現在の社会においては公共の場所や職場、家庭内でわれわれが気づかないところでも広くコンピュータ技術は浸透し、ネットワークに繋がれた多くのコンピュータ技術に意識せずにアクセスして現在の人間社会を支えています。これはマーク・ワイザー博士が四半世紀前に論文で予測したユビキタス社会といえます。整形外科領域においても、手術ナビゲーションだけでなくコンピュータ技術を基礎とした画像診断、手術計画、手術シミュレーション、術中支援、術後評価、手術教育などCAOS領域の範囲は無限に広がりつつあります。しかしCAOSシステムの使用の煩雑さやラーニングカーブ、また高額なコストなどの問題や、CAOSが一部のマニアックな技術であるとか手術手技の習熟につながらないと感じられている先生方も少なくなく、CAOSはいまだに整形外科領域に広く普及しているとは言いがたいです。そこで今回はテーマを第8回「コンピュータ支援技術のさらなる発展と普及を目指して」、第9回「マニアだけじゃないCAOS」を引き継ぎまして、「コンピュータ支援技術 無限の可能性を求めて」とさせていただき、整形外科領域の様々なところでいつでもどこでも意識せずあまねく普及するCAOS、ユビキタスCAOSをめざして本研究会がその一助になればと考えています。

 今回は日本CAOSの牽引者であられる大阪大学大学院医学系研究科運動器医工学治療学教授の菅野伸彦先生にこの10年の日本CAOSの歴史を振り返り、その総括とCAOSの未来についてお話しをお願いさせていただきました。京都大学大学院医学研究科感覚運動系外科学講座整形外科学教授の松田秀一先生には膝関節手術におけるナビゲーションに手術についてご講演をお願いさせていただきました。名古屋大学情報連携統括本部情報戦略室・大学院情報科学研究科メディア科学専攻教授の森健策先生にはコンピュータ支援画像診断学の最先端についてご講演いただきます。また脊椎やその他の分野においてもそのスペシャリストにご講演をお願いする予定です。整形外科流域のすべての分野において活発に討論できればと思います。

 本研究会を開催させていただきます犬山市は、愛知県の最北端に位置し、木曽川が濃尾平野へと流れ出る所にあり、木曽川の一帯は名勝に指定されており、川下りや伝統的な木曽川鵜飼も行われています。会場の名鉄犬山ホテルは木曽川湖畔に立ち、国宝犬山城に隣接しております。犬山城は豊臣秀吉が生まれた天文6年に織田信長の叔父である織田信康によって創建された、現存する日本最古の木造天守閣です。江戸時代には城下町として発展し、当時の町割りが現在も見られます。そのほか博物館明治村や野外民族博物館リトルワールド、日本モンキーセンターなどの観光名所も多く存在し、研究会の合間に足を伸ばし楽しんでいただければ幸いです。

 本研究会が有意義で実り多きものになりますよう精一杯努力をさせていただきますので、「コンピュータ支援技術 無限の可能性を求めて」のテーマのもと、多数の先生方のご参加を心よりお待ち申し上げます。