2016年9月23日(金)・24日(土)コクヨホールにて 第41回日本微小循環学会総会を開催致します。

第41回日本微小循環学会総会

会長挨拶

第41回日本微小循環学会総会

「微小循環と炎症」

 このたびは、第41回日本微小循環学会総会を2016年9月23日(金)、24日(土)の2日にわたり東京コクヨホールにて開催させていただくことになりました。

 第41回日本微小循環学会総会は、前回の第40回日本微小循環学会総会が2015年9月に国際微小循環学会との京都における合同開催となりましたので、本総会は開催時期が例年の2月~3月の寒い季節から初秋の9月に移動の開催となりました。

 今回は「微小循環と炎症」をテーマとして掲げました。近年、血流障害、特に諸臓器の微小循環障害・虚血に引き続き生ずる組織傷害の機序には、初期の虚血のみならずそれに伴って生ずる「炎症」が重要な役割を果たしていることが注目されています。この微小循環障害にともなう「炎症」を中心にして、特別講演とシンポジウムを企画しました。

 中枢神経においては、虚血によって組織の細胞死が起こると何らかのメカニズムにより脳内に浸潤した血液細胞が活性化され、マクロファージやリンパ球が産生する炎症性因子サイトカインが産生されることにより、さらなる組織傷害が惹起されることが注目されています。さらに、マクロファージやミクログリア上のtoll-like receptor (TLR) が脳梗塞後の炎症に関与していることが報告されています。また、虚血により壊死に陥った神経細胞からはTLRに認識される因子、ダメージ関連分子パターン(damage-associated molecular patterns: DAMPs)が細胞外に放出され、TLRを介してマクロファージやミクログリアを活性化させることが報告されています。本総会では、テーマの「微小循環と炎症」に対応して「神経疾患におけるミクログリアの位置づけ」および「Microbiota(腸内細菌叢)と疾患」と題する2つのシンポジウムを企画しました。さらに、慶應義塾大学医学部微生物免疫学教室 吉村昭彦教授、Heidelberg大学 Hellmut Augustin教授、そして北里大学医学部薬理学 馬嶋正隆教授に特別講演をお願いしました。

 現在、中枢神経のみならず各臓器における虚血後の細胞傷害の病態研究は長足の進歩を遂げています。本総会では、現在の本領域の研究の全貌と最先端が理解いただけるように構成を工夫しました。

 慶應義塾大学医学部神経内科教室員一同、収穫の多き総会となることを祈念しつつ、多くの皆さまのご参加をお待ちしております。

第41回日本微小循環学会総会
会長 鈴木 則宏