2016年1月21日(木) 江陽グランドホテルにて 第18回日本脳神経減圧術学会を開催致します。

第18回日本脳神経減圧術学会

会長挨拶

第18回日本脳神経減圧術学会

会長:長谷川光広 (藤田保健衛生大学医学部脳神経外科 教授)

 この度、第18回日本脳神経減圧術学会を平成28年1月21日(木)、江陽グランドホテル(宮城県仙台市)にて開催させていただくこととなりました。本会は、日本における神経減圧術に携わる医師のほとんどが年に一回一堂に会し、丸一日神経減圧術のみに絞って学術的な討議を行うユニークな会であります。この領域において極めて重要な役割と使命を果たしております本学術集会を担当させていただきますこと、大変光栄に存じますとともに身の引きしまる思いであります。

 本学会の目的は、日々の外科診療における神経減圧術に関する諸問題を持ち寄り、 皆で共有、議論することで、さらに発展させ、最新の知見をもって本疾患で苦しんでいる患者さんたちにより良い治療を還元することであることは言うまでもありません。本疾患群が機能的疾患の範疇に属し、疾患自体が生命にかかわるものではない一方、痛くて食事ができない、歯が磨けない、顔を洗えない、他人と会うことを躊躇してしまう、目が閉じてしまって車の運転ができない等の日常生活の根本にかかわり、大きくADLを損ねているのも事実です。 術前は暗かった患者さんの表情が手術によって明るい本来の朗らかさに戻って退院していくところを拝見できることは、治療に携わる我々にとって無上の喜びであります。一方、最善を尽くしても手術で完治しない患者がどうしても数%存在し、さらには稀ではありますが手術により大きな合併症が起こり得るのも事実です。これらには、諸説あるものの本疾患群の本質的な原因がいまだ不明のままであること、病理の詳細がいまだわかっていないこと、完璧なモニタリングが存在しないこと等の現実があります。時に、決して最適な手術手技がなされたとは思われないような症例をセカンドオピニオン等で目にすること等に鑑みて、学術集会のテーマを「正しい手技の伝授・工夫」とさせていただきました。全国の会員の皆様からの熱き演題のご発表とともに、一部のエキスパートの先生方にお願いし、基本手術手技、画像、モニタリング、シミュレーション、内視鏡の可能性、手術の工夫等について、それぞれレクチャー、セミナーをしていただきます。さらに特別講演には、韓国ソウルSungkyunkwan University、Samsung Medical CenterのKwan Park教授にお忙しい中お越しいただき、3000例を越える豊富なMVD手術経験から、最良の手術技術と結果、それを達成するためのコツ等をたっぷりご教授いただくこととなっております。また中国上海からShanghai Jiaotong University、Ruijin HospitalのWeiguo Zhao教授にお越しいただき、教育講演でコメントを頂けることとなりました。

 本年の学術集会は、定位・機能神経外科学会および日本てんかん外科学会の開催に合わせて平成28年1月21日(木)に仙台での開催となります。ひとりでも多くの患者のために神経減圧術が発展するよう、学術集会の役割を果たすべく準備させていただいておりますので、是非たくさんの先生方に積極的に東北の地にご参集いただき、ご指導を賜りますようよろしくお願い申し上げます。